2017年5月のマンスリーニュース

2017年6月22日更新


吉幾三の芝居が見たくなった

 吉幾三を2曲聞いた。神野美伽に書いた『石狩哀歌』と自分で歌う『ららばい』だ。この人の世界の芯にあるのは、東北生まれの口の重さで、それを曲と歌で押し返すから、独特の味と説得力を持つ。詞にあるのは、雪に埋もれた暮らしの中で、チロチロ燃える情念だろうか。それが今回の2作には、やや薄めに聞こえた。それよりも...と、彼の芝居がまた見たくなった。自作の筋書きをわざと壊して笑わせたりするが、それをやらないまでも、彼は傑出したコメディアンなのだから。