
アカシアの街で
作詞:仁井谷俊也作曲:徳久広司
唄:北山たけし

北山たけしは、律儀で実直な好青年なのだ。どんな場面でも、分をわきまえた言動を示す。誰からも好感を持たれ、北島三郎家の婿どのとして、きっちり居場所を作っているのも、そんな人柄あってのことだろう。
だから彼には、ムード歌謡が似合うと思っている。荒くれ男の勇ましい心意気ものは、得手ではなかろう。今作を聞いて僕は〝やっぱり...〟と合点した。一字一句、それも言葉の頭の発音をきっちり利かせて、歌の取り組み方が真剣、甘さに流れぬ節度と抑制が歌にある。結果、ムード派に青春ものの率直さを加えている。
