2017年10月その他2

2017年11月20日更新


忍び川

忍び川

作詞:石原信一
作曲:岡千秋
唄:西方裕之
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 演歌のメロディーの起承転結には、一種の定石がある。岡千秋がそれの「起」の部分を、少し強めに出て「承」で一度納め、〽泣かされて 泣かされて...と繰り返す詞(石原信一)の3行めを「転」のサビとして一勝負、おしまいの「結」は、よくある手でくくった。定石を彼なりの訴求力でまとめる工夫だ。
 西方裕之の歌は、歌詞のひと言ずつをていねいに表現しながら、淀みのない情感で全体を歌いつくした。男っぽい芸の強さが芯にあり、息づかいこみの女心の揺れ方が表面に出る。彼なりの成熟だろう。