小西良太郎のカラオケ談義

2020年2月2日更新


和尚にどっぷり、天童の16年間

殻を打ち破れ217回  信子さんが泣いた!  それも、登壇してマイクを持った瞬間、あいさつにならない。会場は静まり返る。主賓のテーブルに居た僕は、たまらずに声を挙げた。  「信子、泣いていい!泣いてもいいぞ!」  隣りの席の矢吹海慶和尚も、息を詰めている。万感胸にせまる気配で、それは同席・・・

組曲「恋猫」松本明子が奮闘した

殻を打ち破れ216回 ヒョウタンからコマ...という奴が、実現した。作曲家たちとたくらんだ歌づくり。それが歌謡史上初の組曲に仕上がったから、やっていた連中さえ、なかば驚き、なかば呆れ、なかば興奮状態である。作品名は『歌謡組曲「恋猫」~猫とあたいとあの人と~』で、作曲が杉岡弦徳、作詞が喜多・・・

日高の遠吠えと赤塚不二夫と

殻を打ち破れ215回  「コトバであれこれ言うよりも、吠えてもらった方がいいと思って...。ふふふ...」  作詞家田久保真見がいたずらっぽい口調になった。10月6日昼、中目黒のキンケロ・シアターのロビー。僕が出演した路地裏ナキムシ楽団公演「屋上(やね)の上の奇跡」を見に来てくれてのひと・・・

坂本冬美をべた褒めする!

殻を打ち破れ214回  ≪いいじゃないか、こういう歌でお前さんは、還って来たんだな...≫  古くからの坂本冬美ファンと一緒に、僕はそう思った。しあわせ演歌冬美バージョンの『俺でいいのか』と、小気味のいい路地裏艶歌『男哭酒』のカップリング。久しぶりにモトの冬美に再び出会った気分だ。  吉・・・

君は秋元順子が歌う 『令和元年の猫たち』を聴いたか?

殻を打ち破れ213回  清澄通りの信号待ちで、歌手秋元順子とハグした。合計150才超の抱擁である。居合わせたキングレコードの面々の、眼が点になったのも無理はない。  月島のもんじゃ屋「むかい」で酒盛りをした。秋元のメジャーデビュー15周年を記念したアルバム『令和元年の猫たち』の制作打ち上・・・

「老い」を歌にして悪いか?

殻を打ち破れ212回  ケイタイに電話をしたらその夜、新田晃也は故郷の福島に居た。コンサートが終わったばかりだと言う。  「新曲、受けたか?」  と聞くと、待ってましたとばかりに、  「受けた、受けた。タイトルを言っただけで、もう爆笑!拍手が来ましたよ」  受け答えする彼の背後には、人々・・・

苦境をバネに!3人の友人たちへ。

殻を打ち破れ211回  「頑張ってます!」  とエドアルドが言う。5月25日、東京・芝のメルパルクホール。関係者気分で楽屋裏に入って来た彼と、久しぶりに会った。この日、このホールで開かれていたのは「日本アマチュア歌謡祭」の第35回記念大会。エドアルドは18年前の2001年に、ブラジル代表・・・

君は北川裕二を知っているか!

殻を打ち破れ210回  歌謡界は、いい人なら何とか生きられるほど甘くはない。人柄よりも才能本位だから、時に厄介なタイプでも、うまく行くことがある。しかし、長もちするのは「いい人」の方だ。人間関係がものを言う世界のだから、嫌われもんが長もちした例は、ほとんど無い。  そんなことを考えながら・・・

弔辞にユーモアと拍手なんてアリか?

殻を打ち破れ209回  弔辞に拍手が湧くなんてことは、ありえるだろうか? 葬儀における弔辞はふつう、故人の業績や人望を讃える。相手が成功者ならネタが多く、遺徳をしのんで哀調もほどほど。しかし、さほどでもない人を真面目な人がやると、形通りで社交辞令に上滑り。そのくせ長めだから参会者はうんざ・・・

昭和の男・佐伯一郎は元気だ

殻を打ち破れ208回   「地方区の巨匠」と呼びならわしている佐伯一郎は、すこぶる元気である。  「聞いてみてよ」  と届いたのが、自作の15曲ほどを収めたCD。本人や弟子が歌っているデモだが、いかにも彼らしい"昭和テイスト"横溢の作曲集で、どうやら誰かの歌で世に出し・・・