小西良太郎のカラオケ談義

2020年11月29日更新


神野の『泣き上手』ふたつの匙かげん

殻を打ち破れ226回   ≪ほほう、なかなかに...≫  と、神野美伽を聞いたあと、頬をゆるめた。新曲『泣き上手』のタイトルにひかれて、CDを回す。松井五郎の詞、都志見隆の曲、萩田光雄の編曲という顔ぶれにも興味がわいた。もちろんポップス系の歌謡曲、それを近ごろロック乗りもやる神野用に、ど・・・

もず唱平、戦後75年を謳う

殻を打ち破れ226回

岡山の松原徹の意欲と 親友前田俊明の遺作...

殻を打ち破れ225回  季節はずれだが、雛祭りの話である。面白いことに"五人囃子"の面々はロックにドップリ。白酒に飽きた"右大臣"はハイボールを試飲、"内裏様"と"お雛様"はトップの座から、一番下の段に降りてのんびりしてみた。結果気がついたのは、決められた役割が全員にあって、それを無にす・・・

和尚再会、ありがてぇなあ

殻を打ち破れ224回 「歌詞の最後の1行でも、じっくり味わって下さい」  というメモ付きでCDが届いた。大泉逸郎の新曲『ありがてぇなあ』で、送り主は大泉が所属する事務所の社長木村尚武氏。コロナ禍、広範囲の水害惨状に心奪われる7月、さっそく聴いてみると――。  ♪昇る朝日に 柏手うてば 胸・・・

"当面"秋元順子の いい歌が出来た!

殻を打ち破れ223回  超深夜型だから、朝の起床は遅め。すぐにテレビのスイッチを入れる。社会の窓を開ける心地で、チャンネルを合わせるのはニュースや情報番組。それをたれ流しに聞き流しながら、朝食はもう昼間近かだ。新聞社勤めのころから変わらぬペースだが、その後がいけない、新型コロナウイルスの・・・

親友・前田俊明を悼む

殻を打ち破れ222回  五木ひろしの『おしどり』、川中美幸の『二輪草』、キム・ヨンジャの『北の雪虫』、神野美伽の『浮雲ふたり』、田川寿美の『哀愁港』、成世昌平の『はぐれコキリコ』、水森かおりの『熊野古道』、福田こうへいの『南部蝉しぐれ』、香西かおりの『氷雪の海』、丘みどりの『鳰の湖』、藤・・・

コロナ・ブルーの中で三橋美智也と再会!?

殻を打ち破れ221回  「謹告 開封後はすみやかに封筒を捨てて、ていねいに手洗いをお願いします」  と、いきなりの赤文字、それに続いて   「封筒は皆さんに届くまでに、いろいろな人が触れていますので、念のためです」  と説明文が黒文字である。新型コロナウイルス禍が世界中に蔓延、日本も危機・・・

大森監督の次回作と 小川みすずのデビュー曲と

殻を打ち破れ220回   大切な客が鉢合わせをしたら、どうする? 一人は大阪から来た映画監督の大森青児。もう一人は冬の間、沖縄で暮らしている作詞家のもず唱平だ。さて――。  2月、僕が明治座の川中美幸公演に出演中の話。早々と先に約束したのは大森監督で  「18日は昼の1回公演だ・・・

笑芸人・川中美幸VS井上順

 殻を打ち破れ219回      やたらに威勢のいいイントロで、第2幕の緞帳が上がる。中央に大衆演劇の松井誠、バックの男女は彼の劇団員に扮して、一斉に舞い扇の波を作る。ガツンと歌に入ると、  ♪泣いてこの世を生きるより 笑って生きろと励ました...  晴れ晴・・・

池田充男ならではの情感

殻を打ち破れ218回  峠は深い。荒れる雪風吹、宿の灯りなど見えるはずもない。そんな光景の中を、一組の男女が辿る。相合傘である。厳しい冬景色の「動」と、行き暮れる女が見せる一瞬の「静」が、いい芝居のクライマックス・シーンを見せるようだ。  作詞家池田充男は、伍代夏子のためにそんな絵姿を用・・・