小西良太郎のカラオケ談義

2012年9月1日更新


喜多條忠も、ようやるよ!

殻を打ち破れ127回  献立表の裏に、作詞家喜多條忠がちょこまかと、何か書きつけている。隣りの席からのぞくと、どうやら歌の文句らしい。  ≪鉄は熱いうちに打てということか。それにしても…≫  と、僕は周囲を見回す。島根県大田市から小高い山へ登った三瓶荘、その広間で開かれていたのは竹腰創一・・・

吉岡治の顕彰碑が小豆島に建ったぞ

殻を打ち破れ126回  作曲家の岡千秋が、石川さゆりの歌を聞いて泣いた。6月9日夜、場所は瀬戸内海の小豆島である。この日、島の土庄港の船着き場に、作詞家吉岡治の顕彰碑が建立され、除幕式が行われた。その祝賀の宴で、さゆりが歌ったのは『波止場しぐれ』で、詞が吉岡、曲が岡の作品だった。  この・・・

「すっぴんの歌ごころ」かねェ

殻を打ち破れ125回  作詞家の田久保真見とは、一度だけ飲んだことがある。確かキム・ヨンジャの新曲発表会のあとで、田久保の詞に曲をつけた田尾将実が一緒だった。僕は彼女のあどけないくらいハイトーンの話し声と、グイグイいく飲みっぷりの良さに「いいぞ、いいぞ…」になって、少々深酒をした。  場・・・

日野美歌の『桜空』『花吹雪』がいいぞ!

殻を打ち破れ124回  林あさ美が涙ぐんだ。渋谷・松涛の有線放送スタジオの午後。彼女と僕はその日、ゲストでやって来る日野美歌の『桜空』と『花吹雪』を聴いていた。 ♪舞い上がれ花びらよ あなたに届く様に 悲しみはいつの日か 生きる勇気になるよ… 弦楽器が裾野を作り、時おりピアノが鮮やかにひ・・・

70代でいい作品を得た奇跡 !?

殻を打ち破れ123回  ひょこひょこひょこと、はずむ足どりで島倉千代子が登場する。もう何十年も、見なれた彼女らしさだ。しかしこの日は、ステージが風がわりだった。東京・北品川「大富鮨」の広間。宴会の客よろしく、僕らはすでに用意された酒をチビリチビリとやる。1月27日夕、少し遅めの新年会みた・・・

要は「何を伝えるかが大事」って問題か!

殻を打ち破れ122回  「歌も文章も同じでさ、うまい奴は最初っからうまい。持って生れた才能でね、こればっかりはどうしようもない…」  酔った勢いでそんなことを言い出したら、居合わせた面々が「ン?」という顔になった。反応は似ているが、表情に個人差がある。正月早々、むずかしい話はご免…と押し・・・

ミレイと楽屋の席順と

殻を打ち破れ121回  「結局は、ヒット曲があってこその歌い手だと思うの。楽屋の席順だって、それで決まるんだし…」  久しぶり会った北原ミレイがポツンとそんな事を言った。屈託のない世間話にはさまった、妙に生々しい本音…。 ≪えっ? 楽屋の席順?≫ 僕はその一言にひっかかる。歌手生活も40・・・

"11月・ドームのひばり"の意味するもの

殻を打ち破れ120回  「美空ひばりは今も、現役です!」  ひばりプロ社長の加藤和也氏は、しばしばそう言い切る。今年23回忌を迎えた母親の“ひとと歌”が、往時と変わらぬパワーを発揮することについての、偽らざる実感だろう。6月20日、帝国ホテルで開かれた法要では、映像のひばりと生のオーケス・・・

旧地元・深川で芝居をやったヨ

殻を打ち破れ119回  「現! 元気か、しばらくだな!」 乱暴に呼びかけながら、深夜ふらりと店へ入った。門前仲町のカラオケ・スナック「GEN」 「や! どうも、どうも…」 びっくり顔で、客席から腰を浮かしたのは、この店のオーナー井上現である。銀座で弾き語りをやっていたころからの・・・

ここまで古けりゃ、新しさに通じるか?

殻を打ち破れ118回  「ねぇ、びっくりしないでね!」 秘密でも打ち明けるような小声で、三沢あけみにそう言われたのは5月ごろだったろうか。 「ン?」 となった僕に、彼女が告げた曲目が『三味線ブギ』と『高原の駅よさようなら』の2曲。その吹き込みが終わって、夏すぎに発売の運びだと言・・・