小西良太郎のカラオケ談義

2016年12月23日更新


三井と日高の友情に拍手を!

殻を打ち破れ177回  友人に三井健生という男がいる。イケメン・スターの山内惠介を筆頭に、大勢の歌手を抱えるプロダクション、三井エージェンシーの社長で、僕らのお遊び仲間"仲町会"のメンバー。音楽事業者協会傘下の大手プロダクションが、いつのころからか歌手よりも俳優やお笑い芸人中心のビジネス・・・

夏一夜、長編歌謡浪曲に酔う!

殻を打ち破れ176回  ≪へぇ、22分もの歌謡浪曲を作曲して、そのデモを弦哲也が全部歌ったってか...≫  中村美律子と話していて、僕はかなり驚いた。彼女の30周年記念の長編『無法松の恋~松五郎と吉岡夫人~』についてだが、このヒットメーカーの仕事ぶりは、実に何とも半端ではない。挿入歌を書・・・

友あり!55周年記念曲が届く

殻を打ち破れ175回  新作のCDは、歌い手本人から届いた。差し出し人欄に、あの懐かしいサイン書体で「新川二朗」とある。今年がデビュー55周年の節目。記念曲が『泣かせ酒』(仁井谷俊也作詞・水森英夫作曲・伊戸のりお編曲)でパーティーもやると言う。  便箋の走り書きは「御無沙汰致しております・・・

没後7年、三木たかしの未発表曲が出揃う!

殻を打ち破れ174回  ≪『蒼空の神話』ねぇ。タイトルとしちゃ頑張り過ぎの気もするが...≫  ニヤリとしながら、チェウニの新曲を聞く。荒木とよひさの詞、三木たかしの曲...。  聴きおえて、なかなかのものと合点した。8行詞の前半4行分、かわいい女になりたいと訴える序章で、チェウニが地力・・・

君は『空蝉の家』を聞いたか!

殻を打ち破れ173回  男は家を売りに来ている。父母はすでに亡く、放置したままになっていた故郷の生家だ。蝉しぐれの夏、彼の胸中に去来するのは、懐かしさとやるせなさ...。  堀内孝雄の歌声が、じゅんじゅんと主人公の思いを語る。穏やか過ぎるくらいの風景の中で、情感は次第に切迫する。日に焼け・・・

村木弾の男振りをヨイショする!

殻を打ち破れ172回  ≪いいじゃないか!気張らず力まず、すっきりと、いい歌い振りだ...≫  新人村木弾のデビュー盤『ござる~GOZARU~』と『北の男旅』を聴いて、僕は胸を熱くした。「船村徹最後の内弟子」がキャッチフレーズの青年である。船村作品を多く歌い恩義を感じている舟木一夫が、身・・・

カバコが「音楽健康指導士」になったぞ!

殻を打ち破れ171回  やたらに気安く「カバコ!」と呼びならわす歌手がいる。作詞家もず唱平の弟子で高橋樺子。本当は「ハナコ」と読むのだが、白樺の樺だから、僕は面白がってそう呼ぶ。まだ無名だが東北へ行くとちょっとした有名人。東日本大震災以後もう5年近く、被災者の慰問、支援に通いつめて、立場・・・

エドアルドの新年に期待する

殻を打ち破れ170回  ≪どういう新年を迎えたのだろう、あいつは?≫  ふと思い返す顔がある。ブラジルのサンパウロで生まれ育った男だが、日本へ来て何年にもなるから、年越しは慣れているだろう。しかし今年は、念願叶ってやっと、プロの歌手になっての正月である。それなりの感慨はあるだろうからと、・・・

快哉!森サカエの絶唱と新田 晃也の新境地

殻を打ち破れ169回  70才を過ぎてなお、独自の進境を示す歌手がいる。少し驚き大いに感じ入った相手は新田晃也。12月10日夜、東京・九段のホテルグランドパレスで開かれた、彼のディナーショーを見てのことだ。  『寒がり』『振り向けばおまえ』『母のサクラ』と、このところ連発しているオリジナ・・・

母子二代、日韓歌のかけ橋

殻を打ち破れ168回  「ママがね、ドレスもくれたヨ」  近ごろチェウニは、しきりに母親の話をする。彼女が2才のころに離婚した母は"韓国の美空ひばり"と呼ばれる大物歌手の李美子。チェウニはその後、父方で育った。ふつうの母娘なら『瞼の母』の女性版になるところだが、チェウニも8才で歌手デビュ・・・