新歩道橋

2017年9月23日更新


新歩道橋995回

 8月末、夏の終わりを信州・蓼科で体感した。お次は9月のはじめ、確実にもう秋...とうっとりしたのが彦根~長浜の琵琶湖畔の旅。酷暑の東京を離れて、旅はいいな、季節のうつろいを感じるものな、と味な気分になった日々...。  信州で一足早い秋に出会ったのは、8月30、31日の2日、三井の森蓼・・・

新歩道橋994回

 作詞家もず唱平は、今年歌書き50年、来年8月には80才の傘寿を迎える。  「それはめでたい。何事かあればいつでも駆けつけるよ」  と、川中美幸側近の岩佐進悟やプロモーター「デカナル」の小椋健史社長と約束した。今年3月、大阪・上六の居酒屋「久六」あたり。川中の新歌舞伎座公演に出ていた僕と・・・

新歩道橋993回

 「全然久しぶりって感じはないわ。いつもテレビで見てるからさ」  東宝現代劇75人の会のお仲間、村田美佐子や古川けいからそんな声がかかる。BSテレビの昭和歌番組が、そんなに注目されているのか...と、改めて感じ入りながら、  「いやいや、どうも...」  などと、こちらはあいまいな対応で・・・

新歩道橋992回

 「要は口べらしですよ。俺が集団就職列車に乗った理由は...」  歌手新田晃也が他人事みたいに少年時代を語ったから、胸を衝かれた。極度の貧しさで食糧問題が深刻な家庭から、役に立たない子が放り出される。飽食の時代の今日、もはや死語かと思っていた「口べらし」は、文字通り〝食べる口〟をへらす庶・・・

新歩歩道橋991回

 「おっかあ、そこんところ、よろしく頼むよ」  鳥羽一郎が口にした懸念は弟分の歌手静太郎、天草二郎の今後。「おっかあ」と呼びならわしている相手は喜怒哀楽社社長の福田佳子さんで、亡くなった作曲家船村徹夫人だ。同席した静がウンウンと肯く。天草はテレたような微笑を浮かべた。万事判っている! の・・・

新歩道橋990回

 山崎ハコのアルバム「私のうた」を聴く。昔々、あの「織江の唄」に泣かんばかりの思いをして、以来ずっとファンになり、親交がある歌手の近作だ。1曲目の「ごめん...」は、ギターを爪弾きながら歌う彼女が、すぐ目の前にいる気配でクリア。どうやら死んでしまった男が、悲しむ女に「ごめん」と言っている・・・

新歩道橋989回

 鳥羽一郎は幸せな男だった。歌手としての生みの親が作曲家船村徹で、育ての親が作詞家の星野哲郎と大物揃い、それに実の親木村伝蔵さんを加えて「父3人」である。〝だった〟と書くのは船村が2月に逝き、星野は今年没後7年のせい。伝蔵さんだけは92才で故郷・三重県鳥羽に健在だ。  鳥羽はステージで、・・・

新歩道橋988回

 近ごろは、歌うこともあまりないが、ふと思い返すだけでジンと来る歌がある。小林旭が歌った「落日」で、落魄の男の真情が率直だ。なにしろ歌詞の一番で  〽ままよ死のうと、思ったまでよ...  とうそぶいた主人公が、三番で思い止まり、  〽どうせ死ぬなら死ぬ気で生きて、生きてみせると自分に言っ・・・

新歩道橋987回

 おなじみ路地裏ナキムシ楽団のけいこに入っている。今回が連続3回目の参加、演目は「あの夏のうた」で7月21日から23日まで、金、土、日曜の3日間、中目黒キンケロ・シアターで4回公演なのだが、あっという間にチケットが完売、急遽、23日午前11時開演の追加公演が決まった。6月27日の夜、けい・・・

新歩道橋986回

 「えっ? 嘘だろ!」  留守電を再生して、僕は耳を疑い絶句した。逗子へ買い物に出て、葉山の自宅へ戻った6月17日、土曜日の午後、留守電の声は花屋マル源の鈴木照義社長から、  「至急相談したいことがあります」  とごく手短か。引き続きサンミュージックの名誉顧問福田時雄氏から、  「我妻忠・・・