新歩道橋

2018年11月19日更新


新歩道橋1035回

 いつもまず〝最悪の事態〟を想定する。次に、そうならないための対策を幾つか。それを使って臨機応変、難儀をクリアすれば、まずほどほどに事は収まる。そんな習癖を僕は、スポーツニッポン新聞社で身につけた。整理部というセクションで1ページを任され、編集し紙面を制作する作業。集まる原稿の到着時間は・・・

新歩道橋1034回

 10月22日の月曜日は雨。翌23日火曜日は小雨。小豆島に居た。瀬戸内海では淡路島に次いで2番目の大きさ。映画「二十四の瞳」の舞台になったことや、有数のオリーブ産地として知られる。かつて、この島おこしのために石川さゆりの「波止場しぐれ」を吉岡治が作り、その縁で2000年までの5年間限定の・・・

新歩道橋1033回

 月に一度がもう何年も続いているから、僕が今、一番頻繁に会っている歌手はチェウニである。USENの昭和チャンネルで、月曜日に終日放送中の「歌謡曲だよ人生は」のレギュラー同士。一回一人をゲストに、作家なら作品、歌手なら旧作から新作まで30曲前後を聞きながらの四方山話を5時間近く。一応台本は・・・

新歩道橋1032回

 〽口で言うより手の方が早い...  いつか聞いた歌の一節だが、今ふうに言えばパワハラ・ソングか。今回はそれとは全く違う〝手〟を拝見した。7月の川中美幸公演、9月末から10月にかけての氷川きよし公演、いずれも劇場は明治座で、双方、池田政之という人の作、演出。この場合の〝手〟は、この人の作・・・

新歩道橋1031回

 JR中野駅の南口商店街を少し入った右側「さらしな本店」に立ち寄る。サンプラザ・ホールでコンサートを見たあとの〝おきまり〟だ。「そば焼酎のそば湯割り」を頼むと、小徳利に焼酎、ポットにそば湯が出る。濃いめ薄いめは客次第。つまみは「そば味噌」と、これが妙なものだが「いちじくの味噌煮」で、味噌・・・

新歩道橋1030回

 《そうか、山川豊は立ち姿がいい歌手なんだ》  9月16日夕、浅草公会堂で開かれた彼のコンサートの冒頭で、僕はそう一人合点した。ステージ中央の階段の上に、彼は立っていた。その背景にあるのは、真っ赤な空で、10月に還暦を迎える山川の〝来し方〟を示す夕焼けか、それとも〝行く末〟を暗示する朝焼・・・

新歩道橋1029回

 歌手小沢あきこのダンナが倒れた...との一報は、けいこ場の空気を一変させた。路地裏ナキムシ楽団の中目黒キンケロ・シアター公演が初日を8月31日に控えていて、彼女はその主要女優の一人だ。座長で作、演出者の田村武也が、一応万が一の場合を考える。とは言え出演役者は15人、配役を一役ずつ繰り上・・・

新歩道橋1028回

 演出家で映画監督の大森青児は、有言実行型。おまけにせっかちと来ている。彼を中心に関西で旗揚げ!? した作詞家集団「詞屋」が、早くも2枚めの自主アルバムを作ると言い出した。この人には川中美幸の劇場公演「天空の夢」ほかで、とび切りいい役を貰っている手前、僕は甲斐々々しく、その手伝いをする。・・・

新歩道橋1027回

 樋口紀男氏の訃報は、8月20日夕、北区王子の北とぴあのけいこ場で聞いた。緊張気味の表情で小声で伝えてくれたのは、友人の田村武也。作曲家協会の弦哲也会長の息子だから、その事務所に寄って知ったのだろう。  《そうか、やっぱりな...》  ある程度、覚悟めいたものがあったにせよ、僕は胸を衝か・・・

新歩道橋1026回

 キャッチフレーズふうを先に書けば、  『熟練の作曲ユニット杉岡弦徳が放つ野心作! 史上初の長編歌謡曲「猫とあたいとあの人と」! 作詞は喜多條忠、歌うは松本明子!』  と言うことになる。BSフジテレビで4回ほど放送した番組「名歌復活」の収録中に持ち上がった企画。レギュラーで出ている作曲家・・・