小西良太郎のカラオケ談義

2011年6月30日更新


たまには手放しで褒めちゃうヨ!

殻を打ち破れ114回 「ほっほっほっほ…」 と、一人で笑ってしまった。坂本冬美の『桜の如く』を聞いてのこと。自宅の居間、家人の留守、いい年のおっさん!?がプレーヤーの前でニヤニヤする。不審げに見上げるのは猫のふうちゃん…と、他人が見たら気味悪がりそうな光景だが、当の本人の僕は上機嫌だ。何・・・

星野哲郎の多情多恨・多情仏心

殻を打ち破れ113回 久しぶりに星野哲郎の肉声を聞いた。録音物なのにぼそぼそと、世間話みたいな一人語りで、例えば 「僕の場合、夜遊びは仕事なんですね。歌で一番大事なのは色気ですから。女房といつももめるのはこれですね。これは浮気だよ、これは仕事だから認めてくれよ。こういうことは絶対だめです・・・

ヤケに鳥羽に似合う歌が出来たぞ!

殻を打ち破れ112回  ♪こんな俺を 信じてくれたお前 命ぐらい 安いもんだろ… 鳥羽一郎がバサッと歌い切るから、聴いたこちらはドキッとした。 ≪おい待てよ 命がなんだって? 安いもんなんて、何て言い草だよ…≫『マルセイユの雨』という新曲である。それにしても、滅多に書けるフレーズではない・・・

タイで若草の『ふたりの船唄』を聞いた!

殻を打ち破れ110回  タイのホアヒンで遊びほうけている。ごく親しい友人たちが作る“小西会”のツアーだが、今回が何と60回という節目。この国の王様の別荘がある高級!?リゾート地へ行ったのに、例によって能のない僕らはゴルフ三昧である。どこへ行っても最大の買い物は季節。今回も連日気温30度の・・・

あの人が居なくなることは無い!

殻を打ち破れ 第110回 北海道・鹿部町は人口5000人ほどの漁師町。函館空港から川汲峠を越え、噴火湾沿いに北上、車で小一時間のところにある。元気なころの星野哲郎は、毎夏ここに通って“海の詩人”のおさらいをした。払暁、沖に出て定置網をひき、朝食は番屋で獲れたての海の幸がおかず。昼前から漁・・・

四方~岡、永井裕子11年目の継投策

殻を打ち破れ 第109回  「作詞家勢揃いじゃない。ずいぶんぜいたくな歌づくりをやったもんですね」 永井裕子の『ベストセレクション2010』を聞いての、喜多條忠の感想である。 「だからさ、その次をあんたに頼むの。ひとつ気合いを入れて書いてみてよ」 と、僕が彼をそそのかす。銀座の行きつけの・・・

改めて粛々と、浅川マキを聴く

殻を打ち破れ 第108回  そのころ僕は、三軒茶屋に住んでいた。国道246を走っていた玉川電車がなくなり、高速道路が出来て10年ほど。つまり東京オリンピックの1964年からしばらくの間だ。古い西洋館の2階5部屋を占拠して、いろんな若者たちが出入りしていた。スポーツニッポン新聞の僕の仲間を・・・

山田太郎、歌で"侠気"を継承

殻を打ち破れ 第107回  「いい味出してるねぇ」 ひと昔前の焼きソバのコマーシャルみたいな言い方で、僕がほめた。 「いやあ、幾つになっても緊張しますね」と、山田太郎が笑顔で応じる。 「昔は金を取って歌ってた。近ごろはカラオケなんかで、金を払って歌う。上達するはずだわな」 僕は重ねて、そ・・・

君は寿美若の『舟唄やんれ』を聴いたか?

殻を打ち破れ 第106回    堀江の新地は女町、あだな島田に赤い着物(べべ)着た女が一人、横ずわりして細い首筋を客席に見せている。背後には泥絵具で書いた露地裏の書き割り――そんな大衆演劇の一コマみたいな情景が、くっきりと目に浮かんだ。河内のベテラン音頭取り・鳴門家寿美若が歌う『舟唄やん・・・

『鹿部コキコキ節』が生まれた夏

殻を打ち破れ 第105回  言ってみればプライベート・ソング、一点もののマイソングだろうが、その人のためだけの歌というのが、稀にある。持ち主にはこんな嬉しいものはなかろうが、北海道・鹿部の道場登氏もその一人。この夏古稀を迎えたお祝いに『鹿部コキコキ節』をプレゼントされた。作詞星野哲郎、作・・・