新歩道橋

2015年3月1日更新


新歩道橋904回

 あさみちゆきを聞いている。「月猫」という新曲で、主人公が猫見立てなのが気になった。男にはぐれた女が、自分を猫にたとえる嘆き歌は、ままある手だが、これがなかなかにいい。  〽撫でて、撫でてくれたなら、可愛い声して泣いてあげる...  〽腹を見せて寝ころべば、どこまで本気で、惚れてくれる.・・・

新歩道橋903回

 「日本一! 巨大円型3Dプロジェクションマッピング劇場」  なんて、大上段に振りかぶろう...という話になった。4月27日、栃木・日光市にオープン予定の「船村徹記念館」の売りもの。入場するといきなり、そういう映像施設のお出迎えになる。船村の郷里・栃木の四季から、彼の歌づくりの道筋を見せ・・・

新歩道橋902回

 作曲家の弦哲也とじっくり話をした。彼は今年、音楽生活50周年。珍しく作詞をし、作曲を五木ひろしがした記念シングル「犬吠埼~おれの故郷」を出し、半生記の「我、未だ旅の途中」(廣済堂出版)を出版、全国で記念コンサートをやる。  「節目の年だからと、ありがたい話をもらって...」  と、例に・・・

新歩道橋901回

 新年2回目から、もう芝居の話で恐縮だが、2月用のけいこが始まっている。今度は劇団若獅子プロデュースの「歌麿・夢まぼろし」(笠原章作・演出・主演)で、公演は2月5日から8日までの4日間6回。場所は中目黒のキンケロ・シアターだ。浮世絵師喜多川歌麿を主人公に、幻の役者絵師東洲斎写楽がからむ江・・・

新歩道橋900回

 「以前、星野哲郎先生に言われたことがある。賞というものは、くれると言われたら迷わずにもらえ。一度辞退したら、もうもらえなくなるぞと――」  作詞家志賀大介の発言は、最初から言い訳になった。1月14日夜、JR四ツ谷駅前のスクワール麹町で開かれた日本音楽著作家連合の新年懇親会の席。発表、授・・・

新歩道橋899回

 長嶺ヤス子の踊りは、野卑な官能と思索の静けさが交錯する。圧倒的な前者と、一瞬の間(ま)でかいま見せる後者だ。フラメンコをとことん追及、その後長いこと独自の長嶺流の世界に耽溺し、今またフラメンコに回帰する気配がある。11月21日から新宿のエルフラメンコ、12月9日はゆうぽうとホール、その・・・

新歩道橋898回

 帝国ホテルの宴会場が、突然春景色になったから驚いた。祭壇の右手に桜、左手はこぶし、まん中をうねるのは緑の信濃川で、あとは一面に菜の花、チューリップ、スイートピー、フリージア...、背後に紅まで出て、中央にいい笑顔の遠藤実の遺影がある。12月1日夜開かれた彼の七回忌の集い。  「越後の春・・・

新歩道橋897回

 あろうことか、海江田万里氏の席で酒を飲んだ。民主党の代表である。それが11月18日夜の帝国ホテル。その前には僧侶の矢吹海慶氏としたたかに飲んだ。16日夜の山形・天童市のホテル舞鶴荘。片や全国区、片や地方区の有名人で、縁もゆかりもないはずだが、双方の酒が、流行歌でつながったから面白い。 ・・・

新歩道橋896回

 昼まで寝坊をした。お陰で久しぶりにすっきりした眼覚めである。すぐに猫の風(ふう)が声をかけて来る。昼めしの催促。こいつ人間で言えば熟女の年ごろで、ふだんは寝てばかりの愛想なしだが、こういう時だけは猫なで声ですり寄る。ベランダの向こうは快晴の青空と白波大きめの海。対岸には上手から下手へ、・・・

新歩道橋895回

 11月5日午後4時、舞台の初日があいた。この日東京・深川は薄曇り、ピリッとした冬型の空気が心地よかった。東宝現代劇75人の会の深川江戸資料館小劇場公演「深川の赤い橋」(作・演出横澤祐一)は、午前11時過ぎから舞台げいこをやって夕刻の本番である。メーキャップほどほど、衣装を替えながらの最・・・